![]() FAKIN' POP |
メロディアスで切なくポップな名曲がベスト盤の様にカラフルに散りばめられていて、「こんな恋愛してみたい!」と、様々な青春シーンを聞く側にイメージさせてくれる、キラキラと爽やかで美しい、ポピュラー系音楽の名作品集に仕上がっていると感じます。・・・と、本当のところ賛辞ばかりで占めさせて頂きたい思いなのですが、個人的には、R&Bや2STEP・ハウス等、ブラック〜クラブミュージック趣向のあるクールな平井堅さんが好きになりファンになった人間でもあるので、本アルバム全体を通して聴くのには少し難しさも感じてしまっております。
「楽園」や「KISS OF LIFE」など、3rd〜5thアルバムにかけて主要なR&B系楽曲を手掛けていた中野雅仁さんが離脱されてからというもの、松田聖子さんやサザンオールスターズ、KANさんなど、80〜90年代の純粋で胸がキュンとしめつけられるメロディアスな楽曲が傾向・割合的に増えたのだと感じております。前作は、そういった楽曲とR&Bのグルーヴ・ビート感が見事に調和されていて、バランス・バリエイションに満ちた傑作であると個人的には感じられたのですが、本作はメロディーに重点が置かれ過ぎてしまっているせいか、スロウ〜ミディアム系バラードなど、近い雰囲気の楽曲が多く存在してしまっている様にも感じられてしまいます。 アルバム発売前にCMやドラマ等、諸々のタイアップで収録曲が露出し過ぎていたので、多くの曲イメージが既に出来上がり、全体的に似通った印象に感じられてしまったところもあるのかもしれません(・・アルバムを買って初めて耳にする形であれば、同じ曲でも印象は大分異なっていたのかも知れません)。 これほどまで既出曲が多いオリジナルアルバムというのも、当方30年近く生きてきてマレな経験であったので、今回少し奇妙な感覚・気分を味わうこととなりました。やはり、買ってからのお楽しみは、もう少し残しておいて欲しいというのが本音なところでもあります。 ・・次回作では、少しワルでセクシー&クールな感じ、ソウルフルでファンキー・ジャジーな雰囲気も、以前同様味わってみたい思いであります。キャッチーで美しい旋律が染み入る本作が素晴らしいことに変わりはないのですが、やはり渋みのあるトラックももう少し多く聞いていたいのですm(_ _)m |
![]() ブギの女王 全曲集 |
笠置シズ子といえば「ブギの女王」。 「ブルースの女王」の淡谷のり子、「スウィングの女王」の池真理子と並ぶ偉大な存在。 その彼女の作品のすべてがオリジナルで満喫できます。 「東京ブギ」や「買い物ブギ」「大阪ブギ」「ジャングル・ブギ」はもとより、「アイレかわいや」「ペコちゃんセレナーデ」その他の名曲の数々を楽しみつつ聴いて下さいナ。 私はまだ生まれて居なかったけれど、やっぱり世代を超えて素敵な歌はいつまでも受け継がれていくものですネ。 できれば映画のなかで高峯美枝子と一緒に唄った「銀座カンカン娘」もこのアルバムに入れて欲しかったと存知ます。 さらに云えば、市丸ねえさんの「三味線ブギ」や池真理子の「祇園ブギ」などもブギウギ・シリーズとして、まとめてセットにして貰えば尚更よかりしものを、と思われてなりませぬ。 |
![]() “元祖コマソンの女王”楠トシエ大全 |
日本のテレビ史・CM史に偉大な足跡を残す楠トシエさん。世代によって「日曜娯楽版」、
「お笑い三人組」、「おはよう!こどもショー」のビンちゃん、そして、CMソング(かっぱ の唄とか「ALWAYS三丁目の夕日」でも流れたケロリン青空晴れた空とか)と、違いはあるもの の、みんなが知っているテレビ界のトップランナーだ(なんせNHK専属第1号タレントであ る)。 その楠さんの作品を時代順に編成したCDが本盤。実は初CD(厳密に言うと「ビンちゃん の四季」の方が一週間早いけど)で、1枚目はCMソング、2枚目はテレビソング・童謡・ 歌謡曲と楠さんの膨大なお仕事から厳選して網羅された作品が並んでいる。1枚目は「あ、 聞いたことある!」の連続、2枚目は「え、この歌も楠さんが最初だったの?」が続き、飽き させない。CMソングもいいが、2枚目の「おはよう!こどもショー」関連の曲がまとめて 復刻されたのはこれが初。更に楠さんのフェイバリットソング「雪のワルツ」(三木鶏郎作 品)も名曲だ。ライナーノーツも充実。納得の一枚だ。 現在も楠さんは元気いっぱい。イベントで当時の出来事を尋ねられると、話が泉のように 次々と出てきて、マイクを使うのを忘れるほど(でも、声が通るし、滑舌がはっきりしている ので充分聞き取れた。だからこそコマソンの女王たりえたのだ)。小柄な体からは想像できな いほどパワーがあふれている。まだまだ傘寿。これからもご活躍に、そして、CD第2弾に期 待したい。また、先述の「ビンちゃんの四季」も芸術祭賞を取った名アルバム。是非一緒に聞 いて欲しい。 さて、のこさん、フーコさん、ビンちゃんと続けば、次は藤本房子さんの番でしょう。男性も ボニーさんやデュークさん、とみたいちろうさん、成田賢さんなど逸材がまだまだひかえてい る。濱田さん、休めませんよ。次作よろしくお願いしますね。 |
![]() 演歌の女王 DVD-BOX |
コメディドラマかと思いきや、アルツハイマー、不倫、イジメ、DV、自殺未遂…等々、とても笑えない問題が次々と主人公を襲う。 また、前半部と後半部では、主人公のキャラがあからさまに変わり、物語の急展開も気になる。 しかし、天海祐希の体を張った体当たりの演技と宝塚で鍛えた歌は見事。 それだけでも見る価値はある。 |