夜を賭けて [DVD] |
期待通りかなり骨のある作品でした。 いわれの無い差別、ぶつけてもぶつけきれない怒り、 悔しさ、いろんな感情が腹の中で渦巻きました。 日本政府に、日本国民に、朝鮮半島に無視された彼らは 甘い韓流ブームだけでなく、こんな作品をたくさんの人が |
血と骨 コレクターズ・エディション [DVD] |
全編にわたる暴力とエロスの嵐。ヴォリューム満点の「生」のエネルギーを食わされた感じでした。観終わった直後、「これは凶暴なヴィト・コルレオーネ(「ゴッドファーザーpartU」)の物語だ」と思ったんですが。戦後間もない大阪の朝鮮人コミュニティのワイルドな風景、暴力や性欲で噴出する男たちのギラギラ、それを愛し、恨み、耐え忍ぶ女たちの情念...。とてつもなくテンションの高い映画です。
何より、北野映画の、どこか「死」の臭いが漂うたけしと違って、どこまでも現世の「生」に執着し、ありったけの「生」を貪る金俊平を演じたたけしが即物的でリアル。腕は太く締まっているのに、腹が出ているのもリアル。暴力シーンの凄さはお手の物って感じで、私は乱闘シーンでは毎回井手らっきょら、いるはずのない、愛すべき軍団の姿を探してしまったりしてました。何か凄いいそうな気がしたんですよね。 |
血と骨 通常版 [DVD] |
今時の日本映画にしてはなかなか良かったですね
それにしてもビートたけしの演技が予想したより怖かったですねお笑い芸人があそこまで 怖くなれるのは凄いことですよ俳優としてもやっていけると思いますね(笑) 怪物と呼ばれた男の壮絶な生き様と半生を一切妥協すること無く描かれていてとても良かった です 新井浩文さんもなかなか良かったです |
闇の子供たち (幻冬舎文庫) |
タイのスラムの社会福祉センターのナパポーンと音羽恵子たちと、少年少女売春のホテル・プチ・ガトーのソムキャットたちを軸に、貧しい北方出身の二人の姉妹の運命が語られている。
二人とも親のちょっとした贅沢のために(よく見えないテレビや冷蔵庫、中古のバイク)簡単に売られてしまう。その後待っていたのは、絶対恐怖をしみ込ませて客の言うことを何でも聞く性の奴隷だ。姉の方はエイズが感染して、転売され、あげくの果てに黒のゴミ袋につめられて、ゴミとして捨てられてしまう。ゴミ捨て場からかろうじて、ふるさとに戻るが、檻に入れられ、非業の死を遂げる。妹の方も始めは性の奴隷だが、金持ちの日本人の病気のこどものための臓器提供者として殺されてしまう。 梁石日さんは綿密に実態調査の上、小説を練り上げて作られたのだろう。そのリアルさに、その貧しさに、そしてその絶望的状況に子供を持つ親として戦慄を覚えた。 |
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫) |
本当に凄まじい小説でした。
多少の誇張はあるにせよ、こんな人間が実在したのかと疑いたくなる様な壮絶な生き様。徒党も組まず一匹狼を貫く姿勢は、潔ささえ感じられる。自分以外の人間は例え血を分けた子供達であっても信用せず、家族は自分が生きる為の道具として見ないその冷徹さ。 全ての欲望に忠実で、生きるということにここまで貪欲である人間を知らない。 |
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫) |
良くも悪くも、人間というものありようを余すことなく書き尽くしている。
宗教的側面はないにしても、「カラマーゾフの兄弟」を初めて読んだ時のような衝撃を受けた。 どんなに上辺を飾ってみても、僕らは一皮むけば同じように血と骨で出来ている生物に過ぎない。 圧倒的な欲望や暴力も、僕らの誰の裡にも潜んでいるのだ。 それは、戦争や飢餓などの極限状態に置かれた時、くっくりと浮き上がる。 人間の本質から目を背けて、ヒューマニズムや道徳を語っていても、説得力はない。ここに描かれているような生き方や暴力の世界を肯定するわけではないけれど、まずはこれが人間だということを考えるいいきっかけになる。 そういう本だった。 |