田園交響楽 (新潮文庫) |
この物語では盲目の少女ジェルトリュードを牧師の視点から純粋で美しいものとして描いています。そして開眼手術のあとに彼女はこの世の苦いもの、罪を知り、また自身の心のありようを知ったとされています。
牧師もジェルトリュードもその息子ジャックも自身の中にある何かに心とらわれた盲人であり、導く以前に相手の手をとることもできていない。解説にある探求者として変化し続けるジッド像に合致する固執による悲劇をテーマとした小説かと思います。 |
エロイカ 英雄交響楽 [DVD] |
偉人を語る名作は数多くあるが、この作品もその中のひとつと言えよう。 冒頭は交響曲で始まり、熱愛、ソナタ、最後は歓喜で結びベートーヴェンファンならずとも偉大なる作曲家であったことを彷彿させられる。 誰しも後日もう一度CDでフルコーラスを正聴したくなる。
ただ画中の主人公のソロ演奏が次第にBGMの音響と融合しカットシーンに至る所は、古い手法であるなと感じた。またモノクロによることで現代人の感覚に絶景やノシタルジーがどこまで浸透されるかが問題である。 |