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NHKむしまるQゴールド大集合!大脱皮のテーマ
 NHK教育TVでまず、細川俊之の「うたごえ」でノックダウンを喰らった私。映像を見て更に『ほんとにこれって、NHKが製作してるの?』と、疑うほどの衝撃。そして、ひとひねりふたひねりもあるシュールな歌詞で綴った、一度聴いたら忘れられないほどの曲、曲、曲。
 動物・虫たちの実態を、更に深く追求し、いいとこ取りの集大成。極めつけの一品。「なんでもQ]のアルバムが入門編だとすると、こちらはちょっと中上級編。どちらかと言えば、大人向けに構成されているかも。でももちろん、子供でも十分楽しめるし、不思議・理科科学への関心が更に高まるかも。無論、大人も子供もこのアルバムを聴けば、頭が良くなることは間違いない。

 

NHKむしまるQ ソングコレクション [DVD]
放映時間が大幅にカットになり、そしてブラウン管から「ぴりっとQ」は消えていった・・・
予てより一部の熱狂的ファンよりリクエストの出ていた「むしまるQ」DVD発売に感動を禁じ得ない。
VHS版をお持ちの方は曲の重複に落胆するかもしれないし、DVDの割には収録曲数が少ないと嘆く方もいると思う。
しかしながら、これはまだ始まりに過ぎない。NHKの番組は私たちの受信料で作成されているのである。声高に第二版の作成をリクエストしていこうではないか。
「マッコウクジラは潜水キング」「とべとべコウモリ」「ウーパークイーンの宮殿」なんかがノミネートしたら私は泣いてしまうかもしれない。

 

クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める
前作に引き続きクリエイティブな職種(クリエイティブ・クラス)の人々の
動向を追う(今回は不動産市場の視点から)。一風変わった論点としては、
ボヘミアンやゲイの住むような街の不動産価値は高い!というものもある。

それは余談としても、金融街の住人に代表される、高所得でイノベーティブ
な人々の居住地選好が、都市の様相とその不動産価値に大きな影響を及ぼし、
いわゆる勝組都市と負組都市が鮮明になっているという指摘は、東京圏など
でも実感されるところであろう。

原著が発刊されたのはリーマン・ショック前だが、クリエイティブ・クラスの
人々も今般危機で大打撃を受けたはずで、彼らに支えられてきた都市の構造
が今後どうなるかに、大いなる興味を抱かざるを得ない。ロンドンなどでは、
既に不動産価格が大幅に下落している。クリエイティブといっても様々ある
のだろうが、実需が伴わないものには大幅な調整が生じることは必然か。

なお、このような主旨とは別に、世界におけるメガ都市圏の捕捉・分類など、
面白いデータもあるので、都市比較論などが好きな人にはそれだけでも買い。

 

クリエイティブ資本論―新たな経済階級の台頭
本書をどう読むか?その人自身の社会変化への関心度に大きく左右されるかもしれない。大きな社会変化の中にいることに気づき、それをどう考えるかを模索する人にとっては啓示的である。経済推進の原動力が「大企業」という巨大組織ばかりではなくて、個人の創造性にまで還元される可能性を示している。クリエイティブ側にいる人にとって大いに勇気づけられることだろう。本書において「寛容」の部分(ゲイ指数が都市のクリエイティビティーを図る指標かどうか)は日米の環境の違いがはっきり出て議論される部分でもあるが、あくまでそれをそのまま受け取るのは、「クリエイティブ」とはいえないだろう。新しいものの出現を社会がどのように認め、受けとれるかの指標を、これからの日本でどのように考えていくかと視点をきりかえるほうが重要である。あたらしい「クリエイティブ」は、新奇さゆえに受け入れられがたく、創造に「不寛容」な社会である限り、クリエイティブの自滅という現象が起きてしまう。また、新しいものが出現したときに、専門家ほど、発想がその分野の枠組みに縛られ、まず「否定」の方向に傾きがちである。(フランス絵画の印象派の出現を当時の美術評論家は正しく評価できなかった。)「寛容」はそうした意味から、均質を尊ぶ日本社会に課せられた課題でもある。本書は、読み手の対象が広く、都市論、経済論、社会論として読めるが、個人的には、すっかり閉塞した感のある日本経済をどう考えるか?の未来論として読んでみた。新しい社会の担い手となる経営者にこそ必読と思える。あるいは問題意識を持つ一般の方へ。前訳「クリエイティブ・クラスの世紀」との併読がわかりやすい。

 

クリエイティブ・クラスの世紀
 「クリエイティブ・クラス」というネーミングに、思わず知的好奇心を呼び起こされてしまう、
そんな読者層がターゲットの本でしょう。訳者も想定読者に「官民のトップ・エグゼクティブ」をあげています。
 想定読者のレベルに入るかどうかは別問題ですが、面白い指摘が多かったとは思います。

 著者のあげる、経済発展の三つのT、「技術」(テクノロジー),「才能」(タレント),「寛容性」(トレランス)で、
確かに「寛容性」というポイントは、私にとっては新鮮な“尺度”(メジャーメント)に写りました。
9.11以降、アメリカの強さを裏打ちしてきた「寛容性」が失われてきているという指摘は、非常にイメージしやすい例でした。
 また、「グローバルな才能の磁石」として、カナダのトロント,オーストラリアのシドニーといった都市の分析も、
興味深く読めました。

 ただ、全体に非常に冗長な感があり、読みきるには相当な根気が必要だったのも事実です。
『The Rise of the Creative Class』というのが本著の前にあるようで、こちらへの批判に対するカウンターが長いです。
「寛容性」は“論敵”にはあまり重視されていないのかもしれません。

 最後まで読み進めて、巻末にある「クリエイティビティ」の国際ランクを眺めてみると、
著者の持つような自国への“楽観主義”がどれだけ重要なのかを、改めて感じます。
日本のランクは二位。アメリカより上ですが、日頃この“閉塞感”ですから・・・。

 “我々も、もっとやれる!”というメッセージを、本書から読みとるのも、悪くないかもしれません。

 

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