![]() 野いちご [DVD] |
ベルイマンというととかく高尚な香りがして手が伸びなかったんですが、本作はそんなイメージを覆される傑作でした。
式典会場へ向かう道中で起こる出来事と、途中老人イサクの見る夢の数々が巧みに交錯し、一人の老人を通して内外2つの旅をするような、そんな贅沢なロードムービーでした。車という舞台装置、行く先々で会う人々との対話、そして自己との対話。ロードムービーの概念はベルイマンが57年に確立したんでしょうか。時間や脳内を行き来することが、物語をより魅力的に伝えることを可能にする。これこそ映画的な表現だと痛感しました。 そして何より言いたいのが、「あは」と少し笑ってしまうような「面白い映画」だったってことです。堅物老人が旅を経て少し温かさを取り戻すやり取りの一つ一つがユーモラスで、ある種「ブロークン・フラワーズ」 と同じ余韻を味わってる自分がいるんです。重苦しい主題を重苦しく感じさせない語り口、それが素晴らしかったんです。 |
![]() ストロベリィ・トゥリル (ホットミルクコミックス 266) |
★4の下すべり込み。
著者の処女短編集。 巻頭カラー描き下ろし4頁ショート。 童貞青少年に降って湧いた死に神娘の体当たりな初仕事。 勘違いしてやけっぱちで乙女を散らす女性のお話。 互いの勘違いで乙女を散らす女性のお話。 天才女剣士の煩悩。 幼馴染みな先輩にその日突然突貫し、嘘こいて乙女を進呈する女生徒のお話。 それぞれ異なるカップルたちの恋愛事情を描いた連作シリーズは5編(計6話)まで。 以上タイトル割愛御免。 06〜08年に『ばんがいち』および『パピポの増刊号』に掲載された作品群ですが、とにかく漫画展開力が前半と後半では別人なのでご用心。 起承転結が思いっきり強引で自己完結的作品から、著者のイメチェンのきっかけとなった『チェリー・ちゅー・チェリー』、そして、テイストが輝き始めた『ぼくのSUKIな〜』シリーズへと、まるで進化の歴史博物館状態。 作画の雰囲気は表紙よりコミックタッチで、後半になるほどフワフワとした魅力に包まれてゆきます。 エロ作画的には弱い部分も多々ありますが、淫靡に描こうとする踏み込みの強さと浪漫チックなトキメキを前面に押し出す作風のせいで、著者が撒き散らす女性的な甘ったるさがツボにハマル方には相当にエロっちく感じられることでしょう。 さりげない仕草と移ろう目線と口許で想いを伝えるスタイルが超ステキ。 作画的にはまだ未完成だけど乙女のキュンキュンがギュウギュウ詰め。 女性らしい感性で描かれる風情豊かな情景がステキ。 無論、高評価の要因は後半の作品群ですが、それでも初期作品から順番に載せて欲しかったです。それは『一歩一歩進化してゆく作家様の歴史を観たい』という、私個人のワガママな感情論なので、一般論でならメインディッシュをとくとご賞味アレ!といったところ。 美麗作画派の方および濃い口エロが好みな方なら買い控えが吉。 女性目線の浪漫チックが好み方へなら、超お薦め。 |
![]() あしたの虹 |
ケータイ小説ということで、瀬戸内作品のようであり、そうでないようで、でもやっぱり瀬戸内さんの小説でした! 永遠に続く愛はあると思えるような、希望を持てるラストが印象的でした。 周りの人を大切にしなくちゃなと改めて思いました。 |
![]() ベリーハンドブック―野いちご、木いちご、草いちご |
ベリーでまとめてあり、たくさんの実の写真を楽しむことができます。写真はとてもきれいで大きく、どのような実がなるのかをよく見ることができます。
著者が食味のコメントをしていて、見ているだけでは分からない味の感想は読んでいて楽しく、ベリーを探して食べたい気持ちになれます。 専門書・図鑑としてではなく、ベリーの写真を楽しんだり、探しに野山にでかけるきっかけとなる本として楽しいと思います。 |