![]() Gaucho |
80年発表の7作目。この作品でスティーリン・ダンは90年代末まで一端活動を停止する。起用ミュージシャンの多忙、50〜60曲もの大量の曲の録音という噂が流れ、いつ出来上がるか分からないよ・・・的な雰囲気が流れる中、3年の月日を要して発表された。これまで彼らは年一枚のペースを守っており、それが初めて破られたわけだが、それだけ力が入れらた作品であることも間違いないであろう。
相変わらずフュージョン系の豪華なメンバーが大挙参加している中、ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーという新鋭の参加・・・という遊び心というかマンネリの打破を目的としているかのような若手が参加していることがポイントか?内容ははっきり言ってこのメンツならこのサウンドも当たり前だろうというクオリティの高さであり、それは彼らも気が付いていたのだろう。 1.はリラックスした雰囲気のクロス・オーヴァー的レゲエ曲。肉体的な要素をほとんど感じさせないクールな演奏である。ソウルっぽさが濃厚なのもいつものことか?2.のハーモニカ風のシンセ・リードには時代を感じるものの、さすがに上手い。3.はシンプルな8ビートにメロウな演奏が乗った佳曲。4.はメロウなソウル・バラードといった趣の曲で、サックスのアンサンブルが美しい。6.のシンセ・リードの素朴な音色が好き。7.は、今さらの初期を彷佛とさせるバラードの佳曲だが、彼らなりに突き詰めてしまった結果の原点回帰なのかもしれない。 アルバム全体としては彼ららしい捻くれ感が薄れ直球で勝負したかのような内容。ちなみにプラチナ・ディスクに輝き、グラミー賞のベスト・エンジニア賞も受賞した。 |
![]() Aja |
完璧主義のご両人の最高傑作と呼ばれる本作、聴き所は満載!本作のレコーディングについての二人の解説DVDが出ましたが、何度も焼き直しながら、練り直しながら作り上げたことがよく分かってSTEELY DAN好きにはウラ側をバラしてくれたような気分に浸れるのですが、そこでもやはりJAY GRADON大先生の“PEG”でのソロ(確かにぶっ飛んではいるのですが、彼らしいソロかと言われればどうかなという個人的な印象、こんなソロ誰も弾けませんが…)、そしてかの故JEFF POCARO大先生をして『絶対あんなグルーヴは誰にも出せない』と言わしめたBARNARD PARDIE名誉教授がこれ以上ないリズムを叩き込む“HOME AT LAST”を実際に楽器をやる私としては特に聴き所としたいです。その意味では次作の『GAUCHO』の“BABYLON SISTERS”も相当なグルーヴ、彼でしかなし得ないノリの曲になっており、全体的にも本作よりリラックスしたムードがあり聴き易いです。併せて聴いてみることをオススメします。 |
![]() Alive in America |
ライブ盤ですが、さすがSTEELY DANと思わせる内容に拍手! 音楽が好きな人ほどその完成度に驚くはず。ライブとは思えない完成度の高さ。 ただ、惜しいのはジャケット。これでいいのか? |
![]() 彩(エイジャ) [DVD] |
このDVDは自分でも笑ってしまうくらい繰り返し見ている。と云うのも、単に彼らの音楽の
ファンとしても、自分でも演奏するアマチュアミュージシャンとしても大変に興味深い内容が 一杯だからだ。まず関係者は総出演。裏方のG・カッツとR・ニコルズまで出演している。 有名なサイドメンのD・パークスがプールサイドであの「Josie」のカッティングを弾いてくれる。 R・マロッタはあの恍惚の表情で「Peg」のグルーブを叩く(私の一番のお気に入り)。 C・レイニーはレコーディング秘話を語りながらベースを爪弾くが、そのときにミスタッチで 大きなノイズが出る(名人でもこんな事があるんだ)。S・ダンの2人はコンソールをいじり ながら曲をプレイバックしトラックごとの音を取り出して聞かせてくれるが、そこからまた 新しい話が展開されていき、何か大きなドラマを見ているようだ。この他にも有名なゲストの インタビューやデモ演奏などで盛りだくさんだが、ストーリーの合間に入っているニュー ヨークの景色がとても美しく、S・ダンの曲と上手くまざりあっている。 |
![]() Steely Dan - Anthology |
日本では余り見かけないが、手にとって見ると丁寧な仕上げ。しかも、代表曲ばかり。ABC順の並びだが結構自然な配列。親切にも演奏者の名前の他にエフェクタの案内も。例えば"Larry Carlton (slight distortion)"ってな具合。 SDファンだけでなく、LC始めセッションギタリスト フリークにも超お薦め。でもここで改めて思い知らされるのは、偉大なギタリスト Walter Beckerの存在なり!!! |