United Flow |
ソウル御宅だぃ集合ってフレーズも気に入った一枚。さっきまで山奥の駅で電車待ちしてた寒さも忘れた一枚です。次ワァー姨捨駅。姨捨駅。 |
シュガー&スパイス 風味絶佳 [DVD] |
10代の恋の傷みって、日本国民ほぼ全員が体感する大事な「思い出」である。そこをテーマに狙うのだったら、よほどの覚悟がないと観客を納得させることはできない。本作は感傷ばかりが表現されている気がして、恋愛の「苦い経験の醍醐味」が不足だったかな、と思う。横田ベースを舞台にしているのに、アメリカ感が夏木マリ以外全く感じられないのもマイナス。チョイ役ではなく、もっとアメリカ人を登場させないと。これなら舞台が静岡でも茨城でも、渋谷でもよくなってしまう。役者陣は夏木マリのダイナミックな演技(地?)に圧倒され、沢尻エリカのキュートさに感心し、柳楽優弥のオクテさに共感し、濱田岳の金髪に驚き、みな見事であった。全編に漂う中途半端さは脚本の力の無さが要因だろう。またせっかく大泉洋という才能を起用しているのに、まったく生かされなかったのも惜しい。せっかくの「Gas Station」所長役なのだから、大泉を軸にすればもっと締まったのに、と思う。ちょっと消化不良の感じで星3つ。 |
ぼくは勉強ができない (新潮文庫) |
ぼくは勉強ができない。けれど、女の子にはもてる。
それがこの小説の主人公の時田秀美くん。この小説の魅力のすべて。 勉強ができたって女にモテなきゃしょうがないよ?どんなにステータスが高くてもダサかったらしょうがないよ?そんな本質をすくい上げた山田詠美。彼女の感性にかかれば、お決まりの学歴主義批判でも自堕落擁護でもなくなるから不思議なところ。 もっと前に読んでたら高校生活の自分の理想の姿が時田くんになってたんだろうなって思う。 スタイリッシュに、読者の心のひっかかりを時田くんの魅力に乗せて爽快に伝えてくれる。 誰もが何んとなく感じる本質をさらりと拾い上げるエイミーねーさんも本当に素敵。 この小説の冒頭の表現で山田詠美の感性に僕はハッとした。 頭は悪いがクラスの誰からも愛されている主人公が、選挙で書記に選ばれるシーン。自分の前に就任の挨拶をしている女の子の唇とうなじに目を奪われてぼぉっとしていると、自分の番になってあわてて立ち上がる。 「いつのまにか、僕の名前が呼ばれた。くすくすと笑い声が漏れる。 いつも、そうなのだ。 ぼくが、何か行動を起こす段になると、女の子たちの好意的な笑いが周囲に巻き起こる。 そして、ぼくは、それが大好きだ。」 確かにこういう奴はいた。誰もがそういう人になりたい。けれど、誰もがそうなれるわけじゃない。時田くんはそれなのだ。 この小説は単に女好きの主人公の小説ではなく、年頃の「みんな」、僕も、これを読んでるあなたも確実に通り過ぎた時期を拾い上げている。 その頃に感じたことを時田くんを通して、時田くんの恋人やクラスメート、家族たちともう一度感じ直させられる。そんな小説なんだと思う。 |
アンコ椿は熱血ポンちゃん |
ポンちゃんのおなじみの年に1回のエッセイ集。
著者はHPやブログを出していないので、このエッセイ集が、ファンにとってはとってもうれしい。 今回も、彼女の読書歴、ご飯、友達、家族、愛しいテーマがいっぱいつまっています。 最初のポンちゃんシリーズに比べて、最近は、いい感じに大人になった雰囲気もあり、その一方で、相変わらずの、やんちゃぶりもみせてくれます。 このままずっと続いてほしいシリーズです。 |
放課後の音符(キイノート) (新潮文庫) |
今年33歳を迎える自分が10代前半から今まで折にふれてページをめくった本。
香水、絹のスリップ、シャネルの口紅、ジントニック… ハイ、全部たどりました。 この物語の素敵なところは、大人の女をイメージさせるものが暗号のように散りばめられていて、でもちっとも押しつけがましくないところ。パパのセリフも、大人びた主人公たちもそうだけど、読み手のイマジネーションを心地よく刺激してくれる。 おいしいワインにほろ酔いしながら「大人の女像」をめぐらせるような快感がある。 彼女たちはこんな30代になってるかな、と想像するのも楽しい。 携帯メールやブログが全盛の現代。 誇張や主張で「小悪魔性」をアピールしたがる人は多いけど、醸し出す雰囲気こそが女性の色気(秘すれば花)だということを気づかせてくれるはず。 |